大きく変わった心不全治療
「ニュースなどで時々耳にする「心不全」。
日本循環器学会は、「心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」と定義しています。
心不全には心臓の収縮力が低下するものと、収縮力が保たれているものがあります。
後者は従来通りの利尿剤を中心とする治療法ですが、前者の収縮力が低下する心不全に対して、近年いくつか薬が開発されました。
心不全治療の治療薬
エンレスト
まず一つはエンレストというお薬です。
これは降圧剤であるバルサルタンとサクビトリルというお薬の合わさった製剤です。
この薬剤により心臓に備わっている利尿ホルモン(ナトリウム利尿ペプチド)を増やすことができ、心臓保護につながるという仕組みです。
海外の大規模臨床試験で寿命を延ばす効果が認められ、従来のACE阻害薬(エナラプリルなど)から急速に切り替えが進んでいます。
SGLT2阻害薬
もう一つはSGLT2阻害薬(フォシーガ、ジャディアンス、カナグルなど)です。
このお薬はリンゴの樹皮から発見され、糖尿病の薬として開発されました。
我が国で糖尿病の薬として承認されましたが、海外で行われた臨床試験で心不全の予後改善効果があることも分かり、心不全治療薬としても承認されました。
その他従来からあるアルドステロン拮抗薬(スピロノラクトンなど)、ベータ遮断薬(カルベジロール、ビソプロロール)も加えて4つをファンタスティックフォーと称して、積極的に使用するよう推奨されています。
心不全治療で期待される心臓リハビリテーション
また心不全治療で大きく期待されているのは、心臓リハビリテーションです。
実施する病院が少ない心臓リハビリテーションですが、幸いなことに当地域では、神栖済生会病院の循環器内科が精力的に行っており、地域の心不全の患者さんにとって大きな恩恵となっています。
年々進む少子高齢化社会に、これらの健康寿命を延ばす治療法が増えてきていることは喜ばしいことだと言えます。
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